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My Inspiration

16/09/26

1921年にニューヨークで創立し、1965年に日本上陸。あのジェームス・ディーンが、映画『理由なき反抗』で着用したとされる、マックレガーの“アンチフリーズジャケット”は名品だ。そんな歴史あるブランドの再構築を決意した、代表取締役社長である小野浩平氏にその想いを訊いた。

philosophy

“心の落ち着き、融和する気持ち、充足感といった、その人の内面が滲み出るような装いが素敵だと思うんです。”
—小野浩平氏—

ニューヨークの洗練されたスタイルを提案

まずは、リブランディングでの具体的な取り組み、理想像について尋ねた。「マックレガーは、スコットランドの諸侯グレガー家の末裔という意味なんです。創始者であるデビッド・D・ドニガー氏が、その一族から名前や紋章を使う権利をもらい、命名しました。リブランディングする前は、十を越えるブランドロゴが存在していたので、これらを一つにするところからスタートしたんです。数百の候補から選定したんですよ。最初は、紋章などを入れることも考えたのですが、クラシックなものはあえて簡素化して、モダンに再解釈してもらえるように目指しました。それまでは、メンズライクなゴシック体で硬い印象でしたが、男女問わずファミリーで楽しんでもらいたいという願いも込めて、柔らかなものに。そこに、創始した西暦と場所を刻み、フィロソフィーも加えました。心の落ち着き、融和する気持ち、充足感といった、その人の内面が滲み出るような装いが素敵だと思うんです。この言葉は、理想の女性像であるオードリー・ヘップバーンによる名言から発想を得ています。ファミリーと言いましたが、例えばお父さんなら、休日は6時前に起きて、家に居てもパジャマで一日を過ごさないような人や、自ら進んで電車の席を譲るような人が理想です。お母さんもそうですね。収入とか、仕事ができるとかは関係なくて、優しく敬愛される人に着て欲しいです」

brooklyn

世代を越えて受け継がれるブランドに

社長自ら筆を執ったというポエム『Brooklyn』と『Kissing Room』についても訊いてみた。「創始者デビッド氏は、スコットランドから大西洋航船に乗ってNYへ。当時は人種も文化も混沌としていた世相において、洋服を通して人を繋げたいという強い意志をもって始めたブランドです。そうした成り立ちから知って欲しくて、追体験できるものにしたんです。前者にある、ブロードウェイのミュージカルは華やかでワクワクするものの比喩ですね。洋服も、そういった心の高揚を促すものだから。後者はやや物語的に。グランドセントラル駅にある、“キッシング・ルーム”は、セレブや政治家たちが好んで使った待合室です。愛する人に、そこで会おうというロマンチックなメッセージを残して。そしてNYに到着し、アメリカ合衆国元大統領のジョン・F・ケネディや女優のマリリン・モンローなども宿泊した老舗ホテル、“アストリア”の窓から5thアベニューを眺め、創業の地を決めたという展開にしました。上陸から半世紀を経て、次なる50年は、新しい世代にも親しんでもらえるようなブランドにしていきたいですね」

kissing